ツアー旅行の方や、出川さんのようにバイクで斜塔のある広場のそばの門から入っていく、という方を除いては国鉄ピサ中央駅から斜塔のある広場に向かわれる方が多いと思います。
普通に歩くと20分~30分ぐらいの距離ですので、バスやタクシーを利用した方が時間の節約になるのですが、もし時間に余裕があるならぜひ歩いて斜塔を目指していただきたいと思います。
そして、その道中には絶対に見ていただきたいものが2つあります。
キース へリングの遺作「Tuttomondo」(トゥットモンド)=すべての世界、世界のすべて
某アパレルのTシャツなどでも有名な、1980年代アメリカの代表的な芸術家としてその名を知られるキース へリングのアートがピサの町にあります。
1990年2月に31歳の若さで亡くなった彼の最後の作品で、そのきっかけはニューヨークでピサ大学の学生と出会ったことであり、この作品もピサ大学の学生たちと一緒に描いたのだそうです。
そしてこの壁画が描かれた壁はなんの壁かと言いますと、14世紀に建てられたサンアントニオ教会の壁なのです。
歴史的な伝統ある教会の壁に現代的なアートを描くことを許容する、なんともイタリア人らしい懐の深さだと思います。
僕が撮った写真は残念ながら壁画のすべてを写した訳ではないのですが、それは壁画の前に観光バスが止まっていて可能な限りバスが写真に写り込まないようにしたからでした。
なので、写真の下の方に青いバスの天井部分が写っています。
グーグルマップからストリートビューで見てみますと、現在は直接触れることが出来ないように透明な柵が設けられるとともに、車両が駐車することも出来ないようになっているみたいですので、ゆっくりと壁画のすべてを楽しむことができると思います。
(キースへリングの遺作、Tuttomondoのグーグルマップです)
ピサ中央駅から歩いてすぐですし、斜塔に向かう途中にありますのでぜひ!!
アルノ川沿いの小さな教会、サンタ マリア デッラ スピーナ教会
初めて見たのは偶然の産物だったと思います。
駅から斜塔へ行く道のりと斜塔から駅に帰る道のりを変えてみたところ、たまたま見つけたのがこのサンタ マリア デッラ スピーナ教会でした。
「なにこの小さくて可愛い教会は!?」
と、それまでローマやミラノやフィレンツェやもちろん斜塔のそばのピサで「どどーん!!」という擬音とともに描かれそうな巨大で壮大な教会ばかり見ていましたので、その小ささにまず驚きました。
サンタ マリア デッラ スピーナ教会のスピーナ(Spina)はイタリア語でとげや茨の意味なのですが、その名前の由来はキリストの茨の冠の棘が保存されていたことから来ているのだそうです。
と、イタリアでは生ビールのことをBirra alla spina(ビッラ アッラ スピーナ)と言いますので、最初にこの教会の名前を知ったときは
「spinaって生ビールの生だよね?・・・・なんだろう?樽教会??」
とか、とんちんかんなことを考えていました。(苦笑)
ちなみにイタリア語で瓶ビールは、Birra in bottiglia(ビッラ イン ボッティーリア)と言います。
さらに余談ですが、「生ビール小おかわりください」は「Un’altra birra alla sipina piccola per favore.(ウナルトラ ビッラ アッラ スピーナ ピッコラ ペル ファヴォーレ」となって、日本人の苦手なLとRの発音が連続して出てくるので、巻き舌にしたり舌を上あごにつけたり大変です。(笑)
閑話休題。
小さいながらもそのファサードの装飾は細やかで美しく、教会の小ささと相まって繊細なイメージを見ている僕たちに与えてくれるのだと思います。
斜塔への道中にチラ見して写真を撮って終わりではなく、ぜひ近くまで行ってその美しさに触れていただきたい教会です。
(サンタ マリア デッラ スピーナ教会のグーグルマップです)
Piazza dei miracoli(ピアッツァ デイ ミラーコリ)=奇跡の広場
出川さんの感想と同じく、僕も最初に斜塔のある広場を見たときは「単に斜塔がぽつんと建っているんじゃなくて、こんな広場になってるんだ!!」と驚きました。
ドゥオーモと斜塔と洗礼堂、墓所から成るこの広場は、単にPiazza del Duomo(ピアッツァ デル ドゥオーモ)=ドゥオーモ広場、とも呼ばれますが、Piazza dei Miracoli(ピアッツァ デイ ミラーコリ)=奇跡の広場、とも言われます。
なんと言いますか、この辺のネーミングセンスと美的感覚はイタリア人ならではのものだなあ、と感心します。
(ピサのドゥオーモ広場のグーグルマップです)
空から見るとさらに美しい、ピサのドゥオーモ
1064年に起工され1118年に完成されたドゥオーモは、この写真ではわからないのですが空から見ると十字架の形をしています。
前述のグーグルマップを見ていただくとよくわかると思いますが、その特徴的な形は美しく、ピサでは空撮されたドゥオーモ広場の絵ハガキも良く見かけました。
音の反響が素晴らしい、洗礼堂
完成までに200年の歳月を要した洗礼堂は、中に入ったときの音の反響に驚かされました。
僕が入ったときに偶然、一緒に日本人のツアーの方々がいらっしゃって、イタリア人のガイドさんが音の反響の素晴らしさを説明した後に(日本語でした)、イタリア人らしい伸びのある声で発声して、洗礼堂内に音を響かせて聞かせてくれたのです。
これは個人旅行では経験できなかったでしょうから、フリーでピサに行かれる方も日本人に限らず団体のツアー旅行者を見かけたら一緒に入ってみましょう。
もしかしたら、素敵な経験が出来るかもしれません。
ピサの町でショーウインドウで見た、衝撃のモスキーノの漢字ワンピース
ピサの町を歩いていたら、ショーウインドウに飾ってあったとんでもない服が目に入ってきて思わず写真を撮りました。
一瞬、「耳なし芳一か!?」と思いました。
「誰がこんな服を作ってん!?」
と思ってよく見てみると、天下のブランド、モスキーノではありませんか。
僕も昔、ジーンズを好んで履いていたので「なぜモスキーノがなんでこんなものを・・・」と驚くばかりでした。
たしかにイタリア人にとって漢字はアートに見えるらしく、僕たちが好んでアルファベットの書かれた洋服を着ているのと似たような感覚かもしれません。
がしかし、書かれている日本語はなぜこのチョイスなのかと目を疑うものばかりです。
(購入するであろうイタリア人にその意味はわからないでしょうし)
見える範囲で読めたのを挙げてみますと
・安物買いの銭失い(この服はどっちなんでしょう?)
・十人十色(誰か買うかもしれないということでしょうか?)
・袖振り合うも他生の縁(この服着てる人とはお近づきには・・・)
・流行物は廃物(廃れる以前に流行るのでしょうか、この服は?)
・あたるも八卦あたらぬも八卦(そんな気持ちで作ってしまったのでしょうか?)
・清水の舞台から飛び下りる(それぐらいの気持ちが必要だったのでしょうか?)
・石の上にも三年(3年着れば見れるようになるかも!?)
・モスキーノ(ブランド名出しちゃって良かったんでしょうか?)
・・・・
・・・・
・・・・
もうちょっとマシな日本語いくらでもあったと思うんですけど。(苦笑)
(逆に、これだけ集めたということはある意味確信犯なんだと思いますが)
もし、この服を着ている人に出会って、『この日本語はなんて書いてあるの?どういう意味なの?』と聞かれたら、どうしましょう??(汗)
コメント