コロンナータのグルメといえば、やはりLardo(ラルド)です。
ラルドはイタリア語で豚の脂身を意味しますが、こと Lardo di Colonnata(ラルド ディ コロンナータ)=コロンナータのラルド という名前になると、それは特別な固有名詞となり幻の珍味になります。
(たまたま入ったお土産屋さんで買ったラルドです)
ラルド ディ コロンナータは豚の背脂を、conca(コンカ)と呼ばれる大理石で作られた浴槽の中で熟成させたものです。
まだ冷蔵庫もなかった時代、コロンナータの人達は豚の背脂を保存食とするために、これまた身近にあった大理石を使い熟成させました。
今では珍味として高級品の部類に入るラルド ディ コロンナータですが、昔は貧しいコロンナータの人々にとって限られた貴重な栄養源だったそうです。
(僕たちがたまたま入ったお店です)
僕たちは頼みませんでしたが、panini(パニーニ)の文字がありますので、ラルドを挟んだパニーノなんかも作ってくれるのだと思います。
余談ですが日本で一般的にパニーニと言われるのはpanino(パニーノ)の複数形panini(パニーニ)です。
パニーニの文字を見る度に、
「間違いではないけれど、ピッツァのことをピッツェ(pizze=ピッツァの複数形)とは言わないし、ジェラートのことをジェラーティ(gelati=ジェラートの複数形)とは言わないしなぁ・・・」
なんて、ちょっともやもやしてしまいます。(イタリア馬鹿)
あと、ときどき『パニーニとサンドウィッチは違う』とか『ジェラートとアイスクリームは違う』なんて話を日本で見たり聞いたりしたことがあるんですが、イタリアではお店の看板に普通に【PANINO/ITALIAN SANDWICH 】とか【GELATO/ITALIAN ICE CREAM】ってあったりするので、イタリア人が大ざっぱすぎるのか日本人が細かすぎるのかどっちなのか? と思ってしまいます。
似てる部分もいっぱいあると思いますけど、根本的な部分は全然違う日本とイタリアです。(笑)
閑話休題。
ここからはコロンナータを訪れたときにランチを食べた、Locandapuana(ロカンダプアーナ)をご紹介させていただきます。
街の中心パレストロ広場を出て、すぐのところにあります。
お店の外観写真も撮ってなかったらしく、いきなり前菜から始まります。(苦笑)
前菜(Antipasto)
Patate al lardo(パターテ アル ラルド)
オーブンで焼いたジャガイモとトマトにラルドを乗せ、オリーブオイルをまわしてシンプルな一皿です。
この後も美味しい料理が出てくるんですけど、僕の中で1番印象に残っているのがこの一皿です。
熱々のジャガイモが間接的にラルドにいい感じの熱を加えてくれて、溶けるような味わいのラルドとジャガイモ、アクセントとなるトマトをオリーブオイルがまとめてくれる、シンプルながらラルドの美味しさを存分に味わえる一皿です。
番組中、出川さん達は生のラルドしか召し上がっていませんでしたが、ぜひ熱を加えたラルドもお試しいただきたかったです。
僕の中では、軽く熱を加えたラルドは生のラルドよりも断然美味しいです♪
ってかこれ、4ユーロなんですよ4ユーロ!!
プリモピアット(Primo piatto)
Tordelli al ragu’(トルデッリ アル ラグー)
トルデッリはこの地方の詰め物をしたパスタなのですが、パスタの中の詰め物が何ったのか思い出せません。(汗)
上にかかっているソースはやや軽めのミートソースです。
前菜に続きこちらもシンプルながら滋味あふれる一皿で、僕好みのほっとする味でした。
ちなみにこちらは7ユーロ!!
tagliolini la locanda con salsiccia pomodoro fresco e timo(タリオリーニ ラ ロカンダ コン サルシッチャ ポモドーロ フレスコ エ ティーモ)
タリオリーニ ラ ロカンダ、とお店の名前を冠するパスタです。
サルシッチャはイタリアの粗挽き生ソーセージのことで、そこにフレッシュトマトとタイムを加えた一皿です。
サルシッチャとフレッシュトマトは僕もよく作るパスタなので、もちろんこの一皿も大好きで美味しかったです。
そしてこちらは6ユーロです。
パスタ2皿に関しては、どちらもイタリアンパセリすら散らさないぐらいにシンプルでしたが、どちらも美味しかったです。
セコンドピアット(secondo piatto)
Coniglio disossato farcito e lardellato(コニーリョ ディソッサート ファルチート エ ラルデッラート)
骨を取ったウサギの肉に詰め物をしてラルドで巻いたメインディッシュです。
ウサギはイタリアでも普通に食べられる一般的な料理です。
日本だとちょっと悲鳴が聞こえてきそうですが・・・
このメニューで覚えているのは、「disossato(ディソッサート)って動詞はdisossare(ディソッサーレ) ? なんて意味だろ??」と思って聞いてみると、dis / oss(o) / ato で骨を取ったという意味だそうで、「osso(骨)をdis したって意味なんだ」と思いつつも、disossato の並びからossoを見つけて意味を推測できなかったのがちょっと悔しかったです。
(もし試験で出たら意味を知らなくても推測しないといけない単語だったかと!!笑)
ウサギは淡白な味わいで濃厚なラルドとの相性もよく美味しかったです。
ウサギも普段は食べないんですけど、お店の人に薦められたので・・・
コロンナータに限らず、ときどきレストランのメニューに出てくる名前ですので、抵抗ない方はもしよろしければお試しくださいませ。
10ユーロです。
Ciccetta alla cavatora(チッチェッタ アッラ カヴァトーラ)
ciccetta はciccia(チッチャ)=お肉が小さくなったもので薄いお肉の意味で、cavatora は石切り職人という意味です。
アッラ カヴァトーラ = 石切り職人風、なんて名前の料理はこの地方独特だと思います。
薄いお肉の石切り職人風、という名のメインディッシュはこんな感じでした。
写真ではわかりにくいんですけど、お肉の上にラルドが乗っています。
これまたシンプルながらラルドも味わえますし、僕の好きな感じの一皿でした。
10ユーロです。
メニュー(il menu)
なぜかこのお店ではメニューの写真も撮っていたのでご紹介させていただきます。
しかし美味しかったお店の外観写真すら撮っていないのに、しっかりメニューの写真を撮っているのはなぜなのでしょうか?(苦笑)
最初にご紹介させていただいた前菜は、サラダの間に挟まれて載っていますね。
ジャガイモだけに野菜でひとくくりされたのでしょうか?
そして上から4つがメインディッシュながら、1番上のラルドとルーコラを乗せたタリアータ、は美味しそうで1番食べたいメニューであるものの40ユーロ/kgはさすがに僕たちには高すぎます。
今になって考えてみますと、これだけ安くて美味しいこのお店でこの価格を出したらいったいどんなメインディッシュが出てくるのか? というのもあるのですが。
続いて4番目のTorta di porri e salsiccia(トルタ ディ ポッリ エ サルシッチャ)はパスタでサルシッチャの入ったやつを頼んだので消去法で消えました。
で、残ったのが石切り職人風とウサギだったのですが、こうしてみると他に選択肢はなかったとも言えるのかもしれません。
こちらはパスタのメニューです。
「豆食い」とも呼ばれるトスカーナ州だけに、上から2つは豆なんだなぁ、と思ってみたり、上から4番目の「栗の粉のタリアテッレ、ゴルゴンゾーラソース」なんてのは、どんな味だったのだろう?と今頃興味津々だったり。
ただ、この日はやっぱりコロンナータのラルドを堪能することをメインにメニューを組み立てていったのでこの辺りは選択肢に入らなかったのだと思います。
みなさまも、もしコロンナータに行くことがありましたらLocandapuanaお立ち寄りくださいませ。
シンプルで美味しかったですし価格もお手頃でした。
身近にこんなレストランがあれば絶対通うのになぁ、と思ったぐらい好きなお店です。
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