スポンサーリンク

初心

「安部大雅から見た的場雅徳」というテーマで作品を依頼したのは去年の冬だったでしょうか。
彼、安部大雅くんは僕がペルージャに着いたその日に出会った人で、それ以来毎日のように一緒にご飯作ったり旅行したりしてイタリアでも日本でもともに時間を過ごしながら今なお続く友人です。
彼に出会わなければ、僕は職業彫刻家という人を知ることもなかったと思います。
お互いに共有できる価値観があってリスペクトする部分があるからこそ、今までこうして続いてこれたのだと思っているのですが、それでも彼は僕にないものを一杯持っていて、ある意味で僕とは正反対な存在のような気もします。
なんて言うんでしょう、彼が論理的に物事を考えて感覚的に表現しようとするのに対し、僕は感覚的に物事を考えて論理的に表現しようとする、みたいな。
もちろん、全てが全てそうではないでしょうが。
そんな彼にいつか作品を依頼したいと思い続ける中で、「彼が僕のことをどう見ているか?」を作品を通して表現してもらうというのは面白いかも、と考えるようになりました。
まぁ彼からすると、迷惑この上ないテーマだったかもしれませんが。(苦笑)
どんな種類のどんな色の石を使うのか、そしてどんな線を描くのか、すべてを彼に委ねて作品の完成を待ちました。
そして、出来あがった作品がこれです。
hiromasaabe15.jpg
曰く、
「普段の作品はクールでシリアスなものが多いんですけど、的場さんのイメージはウォームな感じだから暖色系の色、黄色か赤の石を使おうと。で、優しくてやわらかい雰囲気を曲線で、でもその中には真っ直ぐな芯があって頑固な部分もあるからそれを直線で、2つの線で表現してみました。」
とのことでした。
たしかに思い当たる部分もあります。
さすがよく見てらっしゃる。(苦笑)
ちなみに石はオニキスという石で、その色合いからイタリアではMiele(ミエーレ)=はちみつ、と呼ばれている石なんだそうです。
「魔よけの意味もある石なんで、もし運気が下がったら言ってください。(笑)」
なんて言ってましたけど、そんなことがないように頑張っていきたいと思います。
この作品は、事務所に飾らせてもらってます。
これを見れば、彼と出会う直前、あの日僕がペルージャのピアッツァイタリアに初めて降り立ったときの不安と緊張、そしてこれから始まる冒険に向けての抑えきれないワクワクする気持ちを思い出すことができるとも思って、こんなテーマで作品を依頼しました。
初心を忘れることなく、お互いに切磋琢磨しながらこれからも努力していきたいと思います。
素敵な作品を、ありがとう。

コメント